人生とトレードの記憶術
今日は「ピークエンドの法則」という面白い心理法則についてお話ししたいと思います。
これは、プロスペクト理論で有名なダニエル・カーネマンさんによって提唱された法則で、人間の記憶には「最も印象的な瞬間(ピーク)」と「最後の瞬間(エンド)」が強く残るというものです。
ちょっと考えてみてください。
皆さんが好きな映画やドラマ、漫画…どんなシーンを鮮明に覚えていますか?
おそらく、最も感動した場面や、衝撃的なラストシーンではないですか?
これをトレードに当てはめると、とても興味深い気づきがあります。
僕たちは、大きな利益を出した取引や、痛い損失を出した取引(ピークとエンド)は鮮明に記憶していますが、日々の小さな勝ち負けはあまり記憶に残っていないことが多いんです。
ここに潜む危険性は、特に「ルールを破ってたまたまうまくいった」ピーク体験が強烈に記憶に残ると、無意識のうちにそれを繰り返してしまうことです。
「あの時、ルールを破ってしまったけど大きく勝てた!」という記憶が、次も同じことをしたくなる誘惑となるんですね。
逆に、ルール通りに行動して少しずつ利益を積み重ねた日々は、記憶から薄れがちです。
でも実は、その「記憶に残らない日々」こそが、長期的な成功を支える土台になってきます。
だからこそ、記録するために必要であればジャーナルをつけることもよいかもしれません。
客観的な記録があれば、感情や記憶のバイアスに惑わされることなく、本当の自分のパフォーマンスを把握できます。
僕の場合は、記録しなくても記憶に残るようになっています。
今まで過去のトレードを記憶してない方は、ピークやエンドだけでなく、日々の小さな取引も丁寧に記録してみてください。
きっと、自分では気づかなかった成長の証や、改善点が見えてくるはずです。