幸福と不安
「幸福」と聞くと、なんだか急に怪しく感じる方もいるかもしれませんが、これはプロスペクト理論の考え方にも通じるものなので、ぜひインプットしておいてください。
例えば、こんな状況を想像してみてください。
年収300万円から600万円になった時、皆さんはきっと大喜びするでしょう。
「やった!収入が2倍になった!」と。
しかし、そこからさらに600万円が1200万円になったとしても、確かに金額は大きくなりますが、倍率で見ると同じ2倍です。
そして1200万円が1800万円になると…金額は増えているものの、変化率で見ると1.5倍に下がってしまいます。
この時、僕たちの心の中で何が起こるか。
「あれ、成長が止まってきたのかな…」
「このペースじゃダメなんじゃ…」
という不安が芽生えてきます。
ここで大切なのは、この感覚は決して特別なものではないということです。
お金持ちだから、成功している人だから感じる悩みではなく、人間が本来持っている特性です。
だからこそ気をつけたいのが、この「変化量の追求」が引き起こす罠です。
より大きな変化を求めて(自然と倍にしようとする行動)、詐欺にあってしまったり、浮気をしたり散財したりと、無意識のうちに『刺激』を求めてしまうのです。
変化を求めること自体は自然なことです。
しかし、その変化は必ずしも劇的なものである必要はないんです。
日々の小さな進歩や変化に目を向けることで、より持続可能な形で変化量を楽しむことができます。
日常の中にある小さな変化や、先月よりも成長できたことなど、適度な「変化」を感じられる環境を作ることができれば、数字だけでなく、変化そのものが幸せにつながる秘訣かもしれません。